スピード・オブ・サウンド/ウィングス
ポールのソロ7作目且つウィングス5作目。
ポールが望んでいた(「ポール・マッカートニーのバンド」ではなく)"ウイングス"と言うバンドを最も強調したアルバムです。このアルバムの最も大きい特徴は、メンバー全員(ポール・リンダ・デニー・ジミー・ジョー)が最低1曲はリードボーカルを担当しているところです。皆を1曲はフロントに立たせることによって、ポールが望んでいた「マッカートニーのバンド」のイメージを払拭しようとしています。
アルバム全体のイメージですが、前作が派手だったこともあるのか、割とシンプルな感じを受けます。とは言っても凝っていないわけではありません。6曲目"心のラブソング(Silly Love Songs)"みたいにコーラス部分が凝っている作品もありますので。1曲目の"幸せのノック(Let Em In)"がほのぼのとした曲だからそんな風に感じるのかもしれません。
で、ポール以外のメンバーが歌った曲を簡単に1行ぐらいで紹介を。
2・ザ・ノート・ユー・ネヴァー・ロウト(旧邦題:君のいないノート) Vo:デニー・レーン
割と暗めの曲です。このアルバムの中では一番暗いかも。
5・ワイノ・ジュンコ(作:ジミー・マッカロク/コリン・アレン) Vo:ジミー・マッカロク
不穏な感じがするミステリアスな曲。タイトルの「ワイノ」は「酒飲み」って意味だったような。
7・クック・オブ・ザ・ハウス Vo:リンダ・マッカートニー
リンダ唯一のVo曲。明るい感じのロックナンバー。
8・やすらぎの時(作:デニー・レーン) Vo:デニー・レーン
ブルーな感じのロックナンバー。デニーの作品の中でもかなりの名曲だと思います。
9・マスト・ドゥ・サムシング Vo:ジョー・イングリッシュ
歌詞はちと切ないけど、ほのぼのとした感じの曲。リンゴ(ビートルズのDr カントリーっぽい曲が好き)を意識したのかな。
で、今回のピックアップ(=暗かったり、重かったり、激しかったり)は、
4・愛の証し(Beware My Love)
です。出だしこそ淡々としているのですが、いきなり曲がブチ切れモードに入ります。そこからはノンストップのポールによるシャウト劇場。マイナーコードによる泣きメロに、ポールのシャウトが絡むヘヴィナンバーです。やっぱり、ポールの作品には1曲ぐらいこんなシャウトナンバーが無いと物足りないわ。つか、ヘヴィ・ロック・アーティストとしても、ポールはもっと評価されるべきだと思う。
で、このアルバムのお薦め度ですが、一般的な普通のポップスがお気に入りの方にはピッタリだと思います。所々激しかったり、重かったりしますが、それ故にアルバムの緊張感が保たれるので楽しいかも。
ポールのソロアルバムの中でも、最も敷居が低いアルバムだと思います。
まぁ、ポールのアルバムって時点で、敷居がかなり低いですが(例外もたまにあるけど)。
念のため、書いた後でamazonの評価を見てみたら、あまり高くなかったです。一応、ご報告を。(・ω・)
"Speed of Sound"を略したら"SOS"になるから、冗談で"SOS"でミュージック項目で検索したら、一番トップに出てきたのがこれでした。元ネタ分かる人が、このブログをご覧になられる方の中に一体何名ほどいらっしゃるのかしら。(^-^;
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