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The Wake by VOIVOD

 このアルバムを聴いてまず思った。このアルバムを世界で一番喜んでいるのは初代ギタリストだったPiggyこと故デニス・ダムール(1982-2005)だと。
 
  
 2018年に発売されたカナダのメタルバンドVOIVOD(2021年1月時点において)最新作。
 
  
 個人的感想を述べる前に、僕とこのバンドの思い出について書きます。まずは、1980年代。僕が高校生だったころですが何かの音楽情報雑誌でこのバンドの3作目"Killing Technology"のアルバム紹介の記事(そんなに大きくない扱いでしたが、ジャケットの写真は載っていました)で、何か面白そうなアルバムだなと思ったのをはっきりと覚えています。
  
 
 それから時がたって、大学時代だったと思うのですが5作目"Nothingface" が当時愛読していた雑誌"BURRN!"のレビューで取り上げられていました。そこで僕が好きなバンド"Pink Floyd""Astronomy Domine"がカバーされているってのを知って、フロイドの初期ライブの海賊版CDを買うのと同時にそのアルバムを購入してきました。で、フロイドのカバーも良かったのですが、他の曲が何と言うか病んで鬱で論理的で哲学的、そして変拍子変テンポ等なんでもありだったりして、何とも言えないこのバンド独特の癖が気になっていたら当時の新譜である7作目の"The Outer Limits"が発売されて、このアルバムにドハマりしました。特に超がつくほどの代表作"Jack Luminous"が凄い。何が凄いってドラマチックな展開に、破滅SFを思わせる歌詞。他の曲も凄く良いのが多くて(個人的には、1曲目のFIx My Heartと、6曲目のTime Warpがキャッチーで好き)、ついつい6作目の"Angel Rat"も買ってみたところ、こちらはこちらでポップな感じもするアルバムでこれまた超お気に入り。"Panorama""Clouds in My House""Angel Rat""None of the Above"等お気に入りの曲が多数。特にアルバムタイトルの曲は個人的殿堂に入っておりまして、良く流す個人的ベストに入れているのよ。
  
 
 ですが、8作目になってボーカルの交代がありまして、それだけなら良かったのですが作風がそれまでと違ってストレートなメタルになりました。これはこれで悪くないし、好きな曲もあるのよ。E-Forceの歌い方Snakeとは違うけど悪くないし。
  
 
 でも、それまでのVoivodらしさが何か欠けた感じがしました。で、10作目で元ボーカルのスネイクが復活して、色々と安定しなかったベース(E-フォースはベースとボーカル両方やっていました。あと、面倒になったからメンバーをカタカナで書きます)には元メタリカのジェイソニックが加入して、相変わらずストレートな感じのメタルをやっていましたが"We Carry On"と言うストレートだけど(あくまでも個人的意見だけど)カッコいい曲をやったりしていました。個人的には大喜び。
 
  
 が、
 
  
 元々体が弱かったような気がしないでもないのですが、ギター&作曲の中心だったピギーが46歳の若さで神の元へ召されました。
 
  
 で、残されたメンバーはピギーが残しておいた音源を元にアルバムを2枚出しました。"Katorz"に収録されている"The Getaway"は好きなのだけど、他のは今一つ印象が。とは言うもののもう一度聞きなおしてみるべきだとは思うのですが。と、言うのも当時聴いていた僕の精神状態もあまり良くなかったというか、ピギーがいなくなって残された音源を使って作成しているってところで、Voivodの終わりみたいな感じがしてあまり楽しくなかったんですよ。もう終わりな感じがして。だって、作曲の中心人物がいなくなったし、あの独特なギターを弾ける人ってもういないじゃん。
 
  
と、当時の僕は思っていました。 つか、メンバーもそう思っていて解散を考えていたそうな。
 
  
 で、ラストアルバムが発売されて、バンドはおしまい。
 
 
と、思っていたら
 
  
 Voivodのガチファンで完コピできる(尚、完コピするには曲ごとにギターのチューニングを変えるぐらいのあれこれが必要。常人には無理)ダニエル・モングレインが参加してライブをやってみたら(正確にはラストアルバム発売前からライブには参加していました)何かいけそうな感じになって、ダニエル・モングレイン → チューウィー を加えてのアルバムを作成することに。
  
  
 で、それで作成したアルバム"ターゲット・アース"なんだけど、今から紹介するアルバムを聴いた後に棚を調べてみたら購入していたのに気が付いた。えぇ、それぐらい記憶になかったのよ。で、聞きなおしてみたんだけど、やっぱり個人的印象は薄いかなぁ。このアルバムが好きな方、ごめんなさい。
 
  
 で、Voivodからしばらく離れていました。とは言うものの個人的ベストは聴いていましたが。で、気が付かない間に新譜が2018年に。気が付いたのが2021年の1月。何かレビューが凄く好評だったので騙された気分と、20代の頃からの付き合い(存在を知ったのを含めると10代からですが)だし、50代になって新たに購入するのもありかと思って買ってみました。何か好評だったし。で、初めて聴いている途中の感想が
 
  
 
おい、これって全体で("The Outer Limits"収録の)"Jack Luminous"になってないか???
   
 
  
でした。聴いている途中ね。
  
  
 何と言うか、凄く久々に変テンポ、変調、変拍子、鬱、論理的、哲学的、警告、病苦、混乱、死、苦、等がやってきました。えぇ、良い感じに病んでいます。言ってしまえば健全に病んでいます。
  
  
 つか、ストレートに言うとしばらくなかった『一緒に歌える鬱、苦悩、混乱、死、苦』がやってきました。これだよ、これこれ。
 
  
 えぇ、今作である意味本来のVoivodが復活した気がします。えぇ、こうやってレビュー書くほどですよ。
 
  
 さて、前置きが長くなりました。これからこのアルバムのレビューを書きます。って言っても、ここからはそんなに長くならないかも。
 
  
 その理由ですが、各曲凄くて捨て曲が無いレベルなのですが、全体で1つになっている感じもあって分けて感想を書くのが難しいんですよ。とりあえず、まずは全曲名を。
 
    
1. OBSOLETE BEINGS
2. THE END OF DORMANCY
3. ORB CONFUSION
4. ICONSPIRACY
5. SPHERICAL PERSPECTIVE
6. EVENT HORIZON
7. ALWAYS MOVING
8. SONIC MYCELIUM
 
 
 1曲目は(多分)ツィッターとかのSNSに対する警告。2と3曲目はクトゥルフ神話に基づいたような感じ。正統的に攻めてきながらも、途中で弦楽器が出て雰囲気が変わってくる新地軸を見せる4曲目。叙情的なメロディからの混沌を見せつける5曲目。5作目"Nothing Face"のラスト(8曲目)を彷彿させるような展開をみせる5曲目。出だしが不気味だけど口ずさみたくなる何とも言えない雰囲気をもった&途中で出てくるメジャーコードが印象的な7曲目。
  
 
 そして、今までの7曲を基にして作成した(メロディ・歌詞が再登場する)8曲目。つか、この曲一瞬だけど"Jack Luminous"が出てくるやんけ!!! これは嬉しい。で、あちこちのレビューでも言われていたり、ライナーノーツでも書かれていたのですが、この曲が大団円な雰囲気とか何か凄いとか。で、聴いてみた結果
 
 
 
まさか、こんな終わり方をするとは
 
  
 
でした。まさかの終わり方。今作からチューウィーがかなり仕事しているみたいなのですが、チューウィーまじで凄い。まじ凄い。ギタープレイではピギーっぽいところをふんだんに感じさせながらも単なるフォローだけではなくてチューウィーらしいところもあったのですが、曲作りでのあれこれが凄い。こう来るか。こう来たか。あと、歌詞に無いのだけどスネイクが思わず(?)Let's Go!って言ったところとかすごく好き。そりゃ言いたくもなるわ、この曲じゃ。
 
  
 実のところ、このアルバムを何回通して聴いたのかもう分からない。今月購入したんだけど一日に2回聞くこともあったりして10回では済んでいないはず。このアルバム全体を記憶するまでは聞き込んだとは言えないのではないのだろうか。
 
  
 しかし、本当に凄いアルバムだわ。ひょっとしたら今年のベストアルバムをもう手に入れたのかもしれない。それでもいいけど、願わくば今年は始まったばっかりなのでもっと面白いアルバムに出会いたいものだ。切に願う。
 
  
 あとこのアルバムで思ったのが、久々にドラムアルバム全体のテーマ作成者兼イラストレーターのアウェイが全曲に個別のイラストを描いています。これはファンには嬉しい。アウェイのイラストが好きなんよ。
 
  
 あと、このバンドのレーベルか何かで"Piggy Was Here"ってなっています。これ、ものすごく好き。でも、今作を聴いて僕が思ったのは
 
  
Piggy Is Here


でした。もちろんピギーはこの地球にはおりません。でも、ピギーが残した何かが物凄く出てきたアルバムと思います。ただし、それにはチューウィーの才能&切磋琢磨があったからだと思います。つか、チューウィーが本気出したらこうなった。
 
  
 次回作ではベースのロッキーによるプレイがもう少し聞きたいかしら。5作目あたりで出てきた歪んでいない音での何かも聴きたいのよ。ライブでのロッキーはめっちゃ凄いけど。ぶちかっこいい。 
 
  
 あと、日本版で購入するともう一枚おまけがついてきてそれも凄いんだけど、それまで書くと長文になるのと、まだ1回しか聴いていないので書けないのよ。と言うのもたちまち本作を聴きまくっていてね。個人的な感想だけどリピート必須なのよ、このアルバム。
 
  
 
 VOIVOD IS HERE !

 

 

 

 

 

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